この広い世の中で、その存在を示すかのように力強い輝きを放っている、いつまでも色褪せない名曲の数々。
大々的に脚光を浴びていないバンドであっても、身を削る思いで、丹念に仕上げた作品達は、枯れることなくこの先もずっとリスナー達の心に響き続けます。
時に勇気を与え、背中を押してくれたりと。
近年、メジャー、インディーズ問わず、楽曲の質感を比べてみると完成度や熱量、アーティストとしての本質の部分ではその差をほとんど感じません。
(流通や宣伝方法、環境面など経費が伴ってくる部分は別として)
今回は、この先、どんなに時間が経過しても風化する事のない、いつでも引っ張り出しては聴きたくなる3選を紹介していきます。
threedays film(スリーデイズフィルム)
西東京、八王子が生んだキラキラ感たっぷりのインディーロックバンド。
デイフィル。
2001年に前進バンドを結成。2005年に現メンバーとなりバンド名が「threedays film」に。
信頼度の高い老舗レーベル「3P3B」に所属しており、その案外長いキャリアの中でリリースされている音源はデモ3枚、ミニアルバム一枚、オムニバスへの参加が一作品と割と少ない印象です。
が、どの楽曲も長い年月を掛けて作り込まれた感があり、細部に渡るクオリティが非常に高いです。
ドラムが作り出す独特のタイム感、センシティブなギターフレーズと間合い、絶妙なコーラスワーク。
USインディーロック直系のエモさあり、キャッチャーさあり、メロよし、バンド全体のテクニカルなアンサンブルも光っています。
変拍子というか、転調というか、、。
それでも、ごく自然に聴かせてくれるスキルから玄人的な雰囲気がたっぷり漂っており、
いわゆるバンドマンが聴いてもピンとくる楽曲の深さではないかと。
こういう空気感で音を鳴らすバンドって、国内では案外希少ではないでしょうか。
そのせいか、ライブもマイペースすぎる位マイペースで大々的に告知をしていないような印象があります。
とりあえず一番近いライブは2017/7/17高円寺highでのイベント出演。
まぁ、そういった活動形態も嫌いじゃないというか。
お気に入りの楽曲は「nanano」と「monochrom」です。
skybeaver(スカイビーバー)
1998年結成の四人組バンド。(結成時はスリーピース)
THISTIME RECORDS所属。
2017年現在、その活動は止まっているようですが、たまに引っ張り出しては聴いてしまうアーティストの一つです。
power popにカテゴライズされるようで、そのメロの良さと歪んだギターは確かに「weezer」、「the stereo」ぽさが重なったり、余韻が残ったりと。
ただ、個人的にはエモさ全開といいいますか。
初めて聴いた2002年のデモ音源「for dear life」の印象が強く、「get up kids」、「jimmy eat world」や「joshua」などに通ずる背景が感じられ、
このエモい部分は、後の作品にも受け継がれています。
2005年のアルバム「simpleton」から時を経てリリースされた、2009年リリースの「for a long time」では、これまでとはあまりに違う風貌に驚きを隠せませんでしたが、楽曲の質は相変わらず光るものがあります。
声質も良くて、メロディセンスも抜群で。
私だけかもしれませんが楽曲を聴いた際のインプレッションが、「threedays film」と重なるものがあります。
作品については、廃盤となっているデモ音源以外、アルバム2枚、シングル1枚、その他スプリットや多くのオムニバス作品に参加しています。
charlotte is mine(シャーロット イズ マイン)
2014年結成。
2015年に一度活動休止をするものの、新体制にて活動再開。
2017年6月にリリースされた1st ep「When The Daybreak Comes」が現在スマッシュヒットしている最中です。
私はその存在をSNS経由で知りましたが、バンドの存在よりも先にVo&guitarであるフルヤ ナナさんの楽曲はすでに耳にした事があり、後(のち)にこのバンドのコンポーザーである事を悟します。
点と点が繋がった不思議な瞬間。
多くのミュージシャンが押している様に新世代の匂いを感じます。
驚いたのがキラキラしたエモさだけではなく、楽曲全体からにじみ出る、作り手の背景や生活感、空気感、努力の結晶が見え隠れする事。
キラキラしているんだけど、本場エモ特有の土臭い部分がありつつ、北欧ミュージックやシュゲイザーにも通ずるドラマチックさがあります。
「POPFACE」的な雰囲気もなきにしろあらずで。
バンドの歴史としては浅いモノのの、完成度の高いその楽曲と雰囲気のある佇まいから今後に期待大です。
何気に2017/7/17に「threedays film」と対バンするという好カードにも要注目。
編集後記(まとめ)
今回は新旧世代を織り交ぜた内容となっていますが、「charlotte is mine」は新世代の中では久々にピンときたバンドの一つです。
キャリアのある「デイフィル」や「skybeaver」については、過去の作品をいつ聴いても新鮮さが損なわれず、すんなり耳に入ってます。
正に不変的な楽曲を奏でるアーティスト。
新しい音楽って何だろう?とふと思う事がありますが、その答えは依然見つからず。
ここ2、3年で感じた事は、インディーズシーンでは10年前とはまた違った角度で海外アーティストの雰囲気をインプットした新世代バンドが続々と産声を上げているようで、そちらも今後要注目です。
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以上、最後までお付き合い下さって誠にありがとうございました。
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