新年明けましておめでとうございます。
ご縁があり、当コンテンツまで足を運んで下さって誠にありがとうございます。
今回は、おすすめの単一指向性ボーカル用ダイナミック型マイクaudix(オーディックス)OM5とSENNHEISER(ゼンハイザー)E935の2機種について実際使用してみた感想を素人なりにまとめてみました。
マイマイク。
それは、世のボーカリスト様にとって、自らの魅力、特徴を最大限に伝える為に欠かす事の出来ない必需品。
ライブハウスやスタジオに常備されている機材で対応できる事に越したことはありませんが、自分と相性の良い型式を見つける事によって、これまで見えていなかったポイントに気付かされ、表現の幅が広がったり、発声する事に対して苦手意識が克服されたりなど、多くのメリットが生まれます。
(どんなマイクでも使いこなせてなんぼですが)
それでも、何事においても追求してみることにマイナスな側面はありませんので、もし宜しければ以下、お付き合い頂けると幸いです。
単一指向性ってなに?
今回紹介するボーカル用マイクや楽器の録音用として使用されている一部マイクにはどの角度、どの方向の音を感知して捉えやすいのか、指向性が設定されており、その特性には大まかに分けて3つ存在しています。
その内の一つに単一指向性があり、原理として、空気の振動を内部にある振動板が感知してコイルを伝い電気的信号に変換、そして音として出力されること。
単一指向性のマイクには、振動板の裏に穴や溝があり、また意図的に障害物を作っています。
この障害物がポイントで、ある一定方向から入力された音(振動)が振動板に到達するまでにあえて時間差を作るよう設計されており、
逆に、ある方向からは直接音(振動板表面に到達する振動)と間接音(振動板裏面に到達する音)が同時に到達され(同時に到達すると同量のエネルギーとして相殺される)音として出力されない仕組みになっています。
尚、単一指向性以外の2種類については以下の通りです。
無指向性
言葉の通り、指向性がない為、あらゆる角度の音、音の大きさだけに反応するよう設計されています。
どちらかというと、インタビューや議事録などを記録する為のコンパクトレコーダー、ピンマイクなどに採用されています。
双指向性
構造については割愛させて頂きますが、特性においても単一指向性とは異なり、一定の角度のみではなく前後の振動に反応します。
主に、ラジオ放送でのDJ用マイクやカーナビの音声入力認識用ツールとしても使用されています。
これらを踏まえて、以下使用した感想です。
比較
ちなみにミキサー宅のイコライザーは全てフラットの状態での比較となり、録音用としてではなくスタジオ内や野外で演奏した時の感想となります。
audix(オーディックス) OM5
仕様
・超単一指向性
・周波数特性:48Hz-19kHz
・出力インピーダンス:200Ω
・サイズ/重量/:長さ177mm/280g
実際に使った感想
中高域に定評があり、特に高域の抜けの良さには光るものがあるとの前評判。
実際に使ってみて、まず感じたのは他のレビューと同じ感想です。
SM58(スタジオによく常備されている)、E935に比べると全体的な音抜けの良さが実際に発声していても解る位です。
「超単一指向性」ということもあり、スウィートスポットは狭いのですが(私はマイクに印字されているAUDIXの文字を下向きにした時の中心からやや下の位置に向けて声を吹き込んでいます)、すぐに慣れます。
総合的に見て感度は非常に良く、ウィスパーボイスや微妙なニュアンスに細かく反応してくれる為、力む必要性がなく、慣れると無駄な力みが抜けて、身も心もフラット(自然体)な状態で発声できます。
実際に野外で使用した時など、その音抜けの良さを体感したこと、音質もクリアで少し離れて聴いてくれていた方々にも好評でした。
またバンドアンサンブルにおいても、他の楽器の音に埋もれる事がない為、前述した通り力まずに歌う事ができます。
そしてなかなかハウリングを起こさない。
低音に関して、ややネガティブな評判を耳にしますが、個人的には、無駄な低音が除去され、本来の自分の声質、力量をそのまま出力してくれているような印象が強いです。
「女性ボーカルの方におすすめできるマイク」というレビューをよく拝見しますが、男性の方にもぜひ使用して頂きたいアイテムではないでしょうか。
スクリーモにも問題なく対応出来るかと。
現在、こちらのマイクは私のメインアイテムとなっています。
SENNHEISER(ゼンハイザー)E935
仕様
・周波数特性:40Hz-18kHz
・出力インピーダンス:350Ω
・出力コネクタ:XLR3ピン(オス)
・サイズ/重量:長さ151mm/355g
実際に使った感想
全ての音域においてバランスよく出力される印象です。
OM5に比べると明らかに低音は出ていますが、音が曇っていないので(SM58は音像がぼやける)力まず発声できて気持ちが良いです。
スウィートスポットの範囲も広いのでこちらのマイクについては、特別なコツを探る必要性がないかと。
特筆した音抜けの良さ、音域のレンジも広い、感度も繊細、自らの声質をそのまま押し上げて出力してくれている感覚で、バンドアンサンブルにおいても埋もれる事はありません。
ただ、個人的に一点気になったのはOM5に比べてゲインが低いせいか同じ環境で同等の音量レベルですと、ハウリングを起こしてしまうような印象です。
(または、収音範囲の広さ)
それでも、OM5より優れているポイントとしてボディにフルメタル構造を採用しているため、ハンドリングノイズには非常に強いという事。
現場でのPA様視点からすると、マイクを手に持ってステージングをするボーカリストさんの場合はOM5よりもE935の方が多角的な側面で設定しやすいように見受けられます。
私にとっては、OM5と同じくらいの魅力とポテンシャルを感じていた為、非常に気に入ったマイクの一つであったのですが、現在は手放してしまいました。
(オークションに出品したら購入価格とほぼ同額で驚きました。)
ちなみにRADWIMPSの野田洋二郎さんがライブでSENNHEISERのワイヤレス用マイクを使用されていましたね。(おそらく型式はSKMシリーズのいずれかだと)
SKMシリーズの価格は50000円~100000円程度。
まとめ
現在、ボーカル用マイクは非常に多くの種類が世に出回っている為、情報(評価)も錯綜しています。
感想など好みや印象は人それぞれ。十人十色。
今回は私が実際に使用してみた2機種となり、あくまでプレイヤー視点での感想+主観。
PAさんなどのご見解からするとまた一味もふた味も違った印象になるかもしれませんが。
マイクだけに限らず、他の楽器においてもベストなのは使いやすい=自分自身が気持ちよく演奏できる事を大前提として選定してみると必然的に絞られてくるのではないでしょうか。
マイマイクをお探しの方に僅かでもご参考になれば何よりであります。
その他、以下関連記事もございますのでもし宜しければお読み下さいませ。
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以上、最後までお付き合い下さって、誠にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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