1990年代、日本のアンダーグラウンドミュージックの一つとして大きなムーブメントを巻き起こしていた名立たるインディーズバンド達。
リスナーとしては情報を入手する事が容易でなかった時代、それでもメジャーシーンにはない最先端な音楽を求めていた敏感なキッズ達がライブハウスに集い、完全に一つの確固たるシーンが構築されていました。
私は当時中学生でしたが、4歳離れた兄が某バンドのスタッフをやっていた事もありそれまでの人生では聴いた事のない、衝撃的な音楽達と出逢う事になりました。
今とは一味も二味も違う、本格派なDIY、Straight Edgeの精神に満ち溢れていたメロコア、ハードコアバンドの数々。
今回は90年代、特に中期から後期に掛けてインディーズシーンで活躍していた、バンドについてまとめてみました。
後世に語り継がれるべきインディーズバンド20選(その1)
HI-STANDARD(ハイスタンダード)
云わずと知れたシーンの台風の目。火付け役。立役者。大御所。このバンドなくしてはありえなかったシーンかもしれません。という位、影響力のあり過ぎるバンド。
91年結成ですがあえて入れさせて頂きました。
国内外問わず精力的にライブ活動を展開し、レーベル「PIZZA OF DEATH」を設立。
野外イベント「AIR JAM」を主催したり(第6回目は2016年12月23日福岡ヤフオクドームにて予定している)、99年に発売された「MAKING THE ROAD」はなんと、なんと、異例のミリオンヒット!
一度、活動停止をするものの2016年現在活動中。
楽曲に関しては申し分ないセンスで難波さんのボーカル、横山さんのコーラスワークが絶妙に絡み合い、ライブ会場を毎度の様に興奮の渦へ巻き込んでいます。
COCOBAT(ココバット)
1991年BのTake-Shitさんを中心に結成。1年後の92年には1stアルバム「COCOBAT CRUNCH」をリリース。
精力的にライブ活動を展開し、AIR JAMや国内最大級のヘヴィメタル・フェスティバル「BEAST FEAST」、「LOUD PARK」にも参加した実績があります。
重厚なサウンドとTake-Shitさんのスラップを多用したプレイスタイルが特徴。
以前、某雑誌でベーシストTake-Shitさんの1日を取り上げた記事がありましたが、楽器やリハと同じ位、筋トレにも時間を割いていた事に、私が当時一緒にやっていたバンドメンバーと「すげー!、すげー!」を連呼していた記憶が蘇りました。
MR.ORANGE(ミスターオレンジ)
1996年結成。97年にSNAIL RAMPのTAKEMURA氏が主催するレーベルSCHOOL BUS RECORDSから1stミニアルバム「 time flies」をリリース(この時メンバーの平均年齢は18歳)し、これが何と5万枚のセールス。
しかし直後にg、Voのyu-kiさんとbのtsukuruさんが脱退。
その後二人はlast soulsを結成。
yu-kiさん達が脱退したミスオレはギターのschonさん(かなりイケメン)がボーカルを兼任し新メンバーを加え、三人体制にて活動しておりましたが、2002年に解散。(最終的にメジャー進出したが。。)
2016年現在yu-kiさんはtombotoriのg、Voとして活動されていて、あのエモい歌声は今も健在です。
私が好きだったのはyu-kiさんが唄っていた頃だけで、声質が非常に良く、1stepに収録されている楽曲達はどの曲も甘酸っぱさ全開で名曲ばかり。
胸にぐっときます。特に「bitter days」がおすすめです。
個人的な見解ではメロディセンスはこの年代の中でも郡を抜いているのではないでしょうか。
lagwagonあたりにインスパイアされているのでしょうか。
ちなみに、当時ギグアンでライブ中ダイブに失敗して潰れていた友人を助けてくれたのが、なんとYU-KIさんでした。
私の中で再結成してほしいバンドの一つであります。(初期メンバーで)
GREEN GIANT(グリーンジャイアント)
1994年結成、97年解散。しかし2007年と2014年に一夜限りの復活を遂げております。
コミカルな楽曲が特徴のメロコアサウンド。
96年に発売された7インチep「under the sky」は一時ヤフオクなどで高値で取引されていました。
音源に関してはその他VA「a short story」、「something else」などオムニバスアルバムに参加しています。
解散後、大久保さんはREACH、羽澤さんはTHUMB、前田さんはSHORT CIRCUIT、川田さんはBEEFへと進んでいきました。
SHERBET(シャーベット)
こちらも多くのキッズ達を虜にし、人気絶頂の中解散していったバンド。
1993年横浜にて結成。ダミ声とハイトーンボイスの掛け合いが絶妙なバランスで成り立っていた楽曲達。
96年にレーベル「PIZZA OF DEATH」より1stアルバム「SHERBET」をリリースしますが、翌年97年に解散。
音源に関しては他にデモテープや7インチep、最後のシングル「your choice」、VA「a short story」、「something else」に参加しています。
解散後、岡田さんと片山さんはTHUMB、渡辺さんはREACHに進んでいき、2016年現在、岡田さんはBLACK BACK、片山さんはNoshowにて活動しています。
DAMAGE(ダメージ)
ex REACH,toe,the HIATUS、木村カエラさんのバックバンドのメンバーとしても有名な柏倉さん、ex SHORT CIRCUIT、現ASPARAGUSの原さんが在籍していた伝説のバンド。
1994年末横浜にて結成。
97年に解散。音源はデモテープとVA「a short story」のみでしたが、レーベル3P3Bよりコンプリートアルバムが2003年にリリースされ、廃盤となった後、今現在、復刻盤が再発されています。
解散後、上記以外のメンバー黒澤さんはSHORT CIRCUIT、神長さんはBEEFへと進んでいます。
HUSKING BEE(ハスキング・ビー)
1994年結成。2005年に一度解散していますが、2013年に再結成、2016年現在も活動中です。
メンバーの入れ替わりが多い印象がありますが、磯部さん、工藤さん、平林さん(ex THE NERVELAND)、平本さん(ex Captain Hedge Hog)達の時代がHUSKING BEEという認識が強いです。(あくまで個人的に)。
つい最近までfamの山崎さんも在籍していました。
1stアルバム「GRIP」はPIZZA OF DEATHからリリースしていて、VA「a short story」、「something else」にも参加しています。
「新利の風」が発売された時には、個人的に結構衝撃的でした。(いい意味で)
BRAHMAN(ブラフマン)
1995年結成 96年に1stミニアルバム「Grope Our Way」をリリース。99年にトイズファクトリーとメジャー契約をしており、これまでに6枚のスタジオアルバムとシングル、3枚のミニアルバムをリリースしています。
国内外のライブツアーも積極的に敢行していて、フジロックなどの野外フェスにも数多く参加しています。
2003年に中国北京で開催された「MIDI 2003 Modern Music Festival」でのライブは結構衝撃的でした。
石や生卵、ペットボトルなどを投げられながらも演奏し続けるBRAHMANのその姿には沢山の勇気をもらった多くのリスナー達がいます。
メンバーチェンジを2度経験するも2016年現在も活動中。初期の楽曲郡は民族音楽へのアプローチとメロコアを融合させたような感じです。
SUPER STUPID(スーパー・ステューピッド)
1994年に現Low IQ 01市川さん、大高ジャッキーさんによって結成されたパンクバンド。
ex COCOBAT 現COKEHEAD HIPSTARSのドラマーHIROSHIさんが加入するまでは、HI-STANDARDの恒岡さんがサポートを務めていたことでも知られています。
音源に関してはアルバムを2枚、その他オムニバスアルバム、スプリットアルバムに参加しています。
96年発売のアルバム「WHAT A HELL’S GOING ON?」にはあのキングギドラさんがラップで参加しています。
メンバー間の軋轢により活動が一時止まっていたものの、2015年11月幕張メッセにて16年ぶりに感動的なライブを行い解散。(BRAHMAN主催イベント)
BACK DROP BOMB(バックドロップボム)
BACK DROP BOMB 「second breath」
1994年に結成されたミクスチャーバンド。2016年現在も活動中。
当時からシーンの中でも一つテイストの違った雰囲気を放っていました。
楽曲も作品ごとに凝っていてかっこよく、個人的にもバックの音楽は衝撃でした。
ライブ活動も精力的でAIR jamやフジロック、ライジングサンなどの野外フェスにも多く参加した実績があります。
そういえば柏 アライブ(最寄が豊四季駅だった頃の)でもヌンチャクと共にライブしていました。
ボーカルTAKAさんは現在平行してNoShowのボーカルも務めており、他にシューズブランドORPHICなども手掛けています。元mack daddy、現目黒の某ショップに勤めている某SIG氏とも面識がありますね。
まとめ
「neverまとめ」のコンテンツを参照していたところ、どうしても後世に語り継いでほしい、ぜひとも今の若者達にも触れてほしいバンドが含まれていなかった為、独断と偏見で申し訳ありませんが記事にさせて頂いた次第です。(重複しているバンドも多々ありますが)
初期Mr.orangeなんか、もっと評価されてもいいんじゃないかなぁと。
その他、以下関連記事もありますので、もし宜しければお読み下さいませ。
The Firewood Projectが鳴らす胸の奥底に響く音楽
インディーロック/適度にエモくてかっこいいバンドを語り継いでいきたい①
国内インストバンド/必ず知っておくべきおすすめ3選/ポストロック編
以上、最後までお読み下さって誠にありがとうございました。
コメント (お気軽にコメントして下さい)
ふと、グリーンジャイアントの名前を思い出して検索からたどり着きました。
懐かしいバンド名を見て当時のことを思い出します。
当時高校生で関西の片田舎だったので、彼らのCDを手に入れるのに苦労しましたw
ハイスタンダードがきっかけでアルバムの裏に載っていたスペシャルサンクスにあるバンドのCDを片っ端から購入して聴きまくりましたね。
20選のバンドはもちろん、他にもスプロケットウィール、スーパースナッズ、トースト、レンチ、サックダウンなんかも好きでした!
そういえば当時下北沢シェルターで撮影されたライブ映像”生”ってVHSどこいったんだろう、グリーンジャイアントも出演してましたね。もちろん曲はアンダー・ザ・スカイ
MCSさんコメント下さってありがとうございます!!
嬉しいです!!
管理人の佐々木です。
オムニバスVHS「生」懐かしいです^^ジャケットもシンプルで斬新でしたし。
他にもシャーベット、ハスキンなども収録されており決して音質が良いとはいえませんでしたが、それがまた当時の良さといいますか。
そしてグリーンジャイアントのバンドTシャツで、あの缶詰のグリーンジャイアントをパロったデザインのモノがあったりと。
なぜかそれを鮮明に覚えています。笑
スプロケかっこいいですよね!!。ただ、私は当時ノーマークでスプロケを知ったきっかけは解散後、派生していったwater closetの存在でした。
その他MCSさんが挙げて下さったバンドも存じ上げています。(好みのバンドからMCSさんは硬派な感じが^^)
インターネットなんかほとんど普及していないような時代で、MCSさんのようにCDのクレジットからシーンで活躍するバンドを掘り下げていったり、ライブ開場で配布されているフライヤー、
その他私が住んでいる関東近辺ではディスクユニオンというCDショップが当時こういったシーンで活躍するバンドの音源を積極的に取り扱っていた為、足を運んだりと。
当時のシーンは今とはまた違った熱量で満ち溢れてましたね!!
そして、この時代の音楽は今も語り継がれ、その先人達が未だに活躍してくれている事が何より嬉しいです!!
NCSさん!!足を運んで下さって誠にありがとうございました!