皮膚の深い部分(真皮)で発生してしまったシミやあざ(太田母斑など)に対して最も効果的に威力を発揮するQスイッチルビーレーザー。
原因となっている異常な色素細胞(メラノサイト)をピンポイントで破壊してくれることから、治療期間は長くなってしまうものの、照射後のケアなど含め忍耐強く継続していけば、高い確率での完治が見込めます。
ちなみに筆者は過去に3回、この手術を受けた事がありまして。
目的はいわゆる傷跡というか外傷性の色素沈着的なものを、(詳細は本分にて)
過去の微妙な記憶と共に(決して暗い系ではない)消し去ってしまおうと。
当時そのような思いで臨んだワケですが。
これがまた想定していた以上の労力を伴う事に。(きっと顔のど真ん中だったからだろうなぁ)
今回は自身の体験から、もしこちらのレーザー治療を御検討されている方がいらっしゃいましたら僅かでも御参考になれば幸いです。
Qスイッチルビーレーザーとは
高出力のレーザーを短時間で照射し真皮に出来たシミの原因となるメラノサイトのみに反応して破壊してくれる優れもの。
(要するに正常な皮膚細胞にはほとんど反応しない。)
また、Qスイッチレーザーで照射したシミは、高い確率で薄くなり、再発することもないと言われております。
こちらのレーザー、実はQスイッチレーザーシリーズとして幾つかラインナップが存在しており、
標題となっているルビーレーザーの他に、YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーの計3機種が存在しています。
(真皮の色素沈着に効果的なのはQスイッチレーザーだけです。)
それぞれ照射後の効果にそれほど差はありませんが、「出力の強さ」と「パルスの長さ」に違いがあります。
この3つの中で、一番高出力なのが「YAGレーザー」。
レンジ幅も広いです。
そして短い時間で高出力のレーザーを照射できるのも「YAGレーザー」
(2番目にルビーレーザー、そして最後がアレキサンドライトレーザー。)
性能を比較してみると確かにYAGレーザーが高性能である事に間違いないんですが、
必ずしも高出力のレーザーが良いと言うワケでもなく、術中の肌への影響や術後の色素沈着の発生リスクを考慮すると、ルビーレーザーの出力が真皮のしみ治療においては一番適していると言われています。
私のあざについて
顔の真ん中、鼻の根元辺りにあった外傷痕(原因はあえて割愛します^ ^)が、外傷性の色素沈着かと思い込んでいたら、あざというか太田母斑と診断されました。
太田母斑とは
原因は不明とされていますが、発症のメカニズムに関しては遺伝子との因果関係があり、産まれた時には既に真皮内に異常な色素細胞が存在しているそうで、
そして、ある時、日光やホルモンの影響で、その異常な色素細胞が活性化されメラニンを生成し、皮膚に色がついてしまうという事です。
日光やホルモンの影響といわれてますが、私の場合はとある怪我の後に出てきたんですが、この様(外傷)な事も原因となるかはエビデンスが見つかりませんでした。
(てっきり外傷性の色素沈着かと思い込んでいました。)
※太田母斑、adm(後天性真皮メラノサイトーシス)のレーザー治療は保険が適用されます。
レーザー照射されました
事前に先生から術後のケアなども含め丁寧なご説明を頂きました。
(勿論、対面診療も別の日にやっております)
手術前に麻酔テープを患部に貼って下さり、1時間程度経過した後、いよいよスタート。
(希望があれば麻酔注射を打ってもらえますが痛みの度合いが解らなかった私はとりあえずテープのみで)
「テスト照射」と称され、まず始めに先生の「行きまーす」の掛け声で、まず一発が
私の顔の中心に撃ち込まれたのです。
痛みの度合い
ちなみに担当して下さった先生は、テレビに出演したり、自身のクリニックの業務以外にも、多くの学会に参加したりと、探究心が深く、常に高みを志している、いわば1人の人間としてリスペクトできる名医です。
しかもイケメン。
対応など他と比べると安心感と説得力に違いがありました。
もはや、気持ち的には先生の下僕であった私。
そんな先生が痛みを事前に例えて下さった時は、「輪ゴムで弾かれる程度」とおっしゃっており、
「輪ゴム、輪ゴム」と胸踊っていた私の心ですが、実際に照射されると一瞬でその思いは打ち砕かれました。
最初の一発目で、キョトンとした私。
輪ゴムに被せるのであれば、「ぶっとい(太い)輪ゴム」、というよりかは、エアガンで撃たれた痛みにも似ています。
体の中心には神経が集まっているだけに、「普通に痛い」。
先生の「大丈夫ですかー?」の声に、笑顔で「はいっ^ ^」と答える私。
全然、大丈夫じゃない私。
内心、「もう止めましょう」と終了の合図を出したかったのですが、美人看護師さんの手前、そんなカッコ悪い事は言えず。
そして、二発、三発と次々と撃ち込まれ試合開始。
鼻の根元なだけに、レーザーによって「焼けた皮膚の匂い」が漂ってきて何ともいえない気持ちになります。
バスッ、バスッと手を休めない先生。
自分の意思とは裏腹に痛みのせいか、涙がツツっと頬を伝います。
もう勘弁して下さいをアピールすべく大袈裟なリアクションを顔で表現し始める私。
人間てすごい。
究極の極限状態で生み出された火事場の「顔芸の境地」。
目覚めた自らの新たな才能。
しかし、それをあざ笑うかのように次々と打ち込んでくる先生。
そして、ピタッと先生の手が止まり、ようやく終了かと思い、体の力を抜いた瞬間。
バスッと一発。
後半戦が始まります。
だんだん感覚が麻痺してきて、身も心も無抵抗状態。
先生の完全なる標本個体として、身を捧げる覚悟を決めた私。
心の底から先生に忠誠を誓った私。
先生、好きです。(先生、男だけど)
そしてようやく終了。
正直、途中から何発照射されたか覚えておりません。
かなりの数です。
時間にして10分、15分位?
果てしなく長く感じました。
結論として
部位によりますが「普通に痛い」です。
顔なんか特に痛いのではないでしょうか。
こういった手術において痛みの表現が「輪ゴムに弾かれた感じ」というのは嘘とは言いませんが部位によるのではないでしょうか。
あと、最初の一発目が驚きます。
(経験した事のない感覚の為)
費用について
治療範囲約30mm×30mmで保健が適用されて、7000円、8000円程度でした。
術後の注意点
直後は、ヒリヒリします。
7日〜10日で患部にかさぶたが出来ますので、自然に剥がれ落ちるまで触らない方がよいです。
そして、炎症による色素沈着を抑える為、毎日ハイドロキノンを患部に塗り続ける事も忘れずに。
(紫外線対策として日焼け止めも)
処方される、トランサミンとシナールも飲み続けた方がよいでしょう。
術後〜2ヶ月目位までは、患部が濃くなる場合もありますが、これが普通です。
徐々に薄くなっていきますが、一つ伝えておきたいのは、一回の手術で真皮のあざや色素沈着を除去するのは経験上確実に無理だと感じました。
最低でも、2、3回の手術は伴ってくるのではないかと。
一回手術した後は、約4ヶ月は期間を空けて、次に臨むのが基本です。
二回目以降、徐々に薄くなっていく過程を体感する事が出来ます。
編集後記(まとめ)
繰り返しとなってしまいますが、この手の治療は長期戦(長いと完治まで5年位)となってしまう事が見込まれますので、焦らずじっくり向き合っていく事が最善策であると考えられます。
破壊されたメラニンが表皮に押し出される活動が繰り返される事によって、患部は回復していきます。
その為には術後のケアも怠らず。
私は最初のレーザーから約2年半~3年で色素沈着がほぼ無くなりました。
(「医師からもう完治ですね」と頂いたワケではなく自分自身がもういいやと思えるレベル。それが私にとっては3回目でした)
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以上最後までお付き合い下さって誠にありがとうございました。
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