今回はMF-800【武藤工業】、guider2(ガイダー)【FLASHFORGE】両社の製品を実際の開発現場で使用し個人的に感じた事をつづっていきます。
近年、建築物の造形ツールとしても本格的に導入されつつある3Dプリンター。
機械や工業用部品業界では商品を開発する上ですっかり欠かせない存在として定着しております。
価格は15〜20万円台という事で家庭用としてはやや割高で、業務用としてはお手頃なクラスになるのではないでしょうか。
共にフィラメントを重ねていく熱溶解積層方式。
・どちらが綺麗に造形出来るのか?
・価格
筆者はこの二点に着目してみました。
それでは以下
商品詳細
guider2
メーカー:flashforge
価格:¥178,000(amazon)
MF-800
メーカー:武藤工業株式会社
価格:¥242,000(amazon)
結論
あえて先に結論を申しますと、二つを比較した結果guiderの方が綺麗な仕上がりです。
造形サイズが小さいモノ(約50mm四方)に関しては大きく差はないもののそれでもguiderの方が綺麗です。
両者の積層ピッチを同一にしてもguiderの方が印刷面は整ったテクスチャに仕上がっております。
ちなみにR部や円の造形に関しては、熱溶解積層方式におけるこの価格帯に共通した苦手な領域のようで。
しかしながらguiderの方が綺麗な仕上がりです。
操作性について(スライスソフトも含む)
肝心の一層目のプリントに大きく影響するプリンタ本体、造形テーブルの平行度の設定はMF800は工程が多くguiderの方が簡単で楽な印象で、ノズルとテーブルにおける位置関係の設定は両者変わらない操作性。
MF800は印刷毎に自動で造形テーブルの傾き校正をしておりますが、重要なのは①ノズルとテーブルの位置関係②リトラクションスピード、リトラクション引きこみ寸法の設定が造形に最も影響するように見受けられます。(共通事項)
スライスソフトはMF800では有償のsimplify3D、guiderはフリーソフトのflashprintを使用しておりましてソフト自体の操作性は特に大きな差は感じませんでした。
使用するスライスソフトによって造形の仕上がりに差が出るという情報も目にしましたが、筆者は全く違いは感じず、guiderの方が綺麗でした。
flashprintは初心者向けの簡単設定があり、三つのレベルのいずれかから一つを選択すると自動的に各パラメーターを調整してくれる機能があります。
ただ、筆者はエキスパートモードで各パラメータを任意に調整しております。
※エキスパートと言っても、積層ピッチ、充填密度、冷却の設定、印刷スピードを主に調整する位です。
simplifyではこのほかにリトラクション調整もしておりましたが、flashprintではデフォルトの値でも綺麗に仕上がるよう上手く調整されている印象です。
どちらもサポート材は手動での設置が可能です。
※筆者は使い込んでいく内にいかにサポート材やラフトを設置せず、効率よく造形物を印刷出来るかを第一に考えるようになりましたが。
サポート材の剥がしやすさはスライスソフトで差はありませんでした。
どちらも変わらない印象でsimplify3Dが剥がしやすいという実感はありませんでした。
印刷時間について
ほぼ同一の設定でMF800(simplify 3D)の方が早く仕上がる印象です。
とはいえ筆者は気にしてません。
印刷時間を速くする際、積層ピッチ、充填密度を主に調整するようにしておりましてguiderのすごいところはピッチの値が大きくても上述した通り整った造形に仕上がる事です。
造形テーブルについて
MF800は脱着可能なマグネットシートという点から造形物は圧倒的に剥がしやすく、対してguiderはテーブルにノリを塗ってテーブルから引き離す際にはカッターがないと剥がしづらい側面があります。
以上の事から造形テーブル面はMF800の方が綺麗な印象です。
ヒゲ(クモの巣)やボイドの外観不良について
MF800ではこの不良を抑える為の調整をスライスソフト中心に割と苦戦しました。
様々なコンテンツを参考とさせて頂きましたが。。
ところがどっこい、guiderでは全く苦悩する事なくこれらの不良が抑えれました。
というか、何も気にせず綺麗に造形してくれるという。
編集後記(まとめ)
筆者はguiderを推します。
勿論、宣伝という事は無く、実際に使って感じた正直な感想です。
価格もguiderの方が安い上にMF800を上回る造形精度。
MF800はオートマチックな機能やthe日本企業のようなネーミングに惹かれましたが、やはり重要なのは綺麗さと簡単さとコスト。
以上となりますがご参考になれば幸いです。
コメント (お気軽にコメントして下さい)