shoegazer。
押し寄せる音の洪水。
エフェクターを駆使して作りだす幻想的な空間と、轟音の渦で会場全体を飲み込むその迫力。
その界隈で代表的なバンドとして挙げられるのはマイブラ(My Bloody Valentine)、ジーザス&メリーチェイン、初期スーパーカーなどなど。
ポストロックやオルタナティブな要素も含みつつも、独特な匂いを漂わせ、確立した音楽分野として語り継がれているシューゲイザー。
1980年~90年初頭にイギリスで発祥してから今日に至るまで、数多くのアーティストが生まれて参りましたが、今回は日本国内を限定として、個人的におすすめするシューゲイザー名曲2選を紹介していきます。
wooderd chiarie(ウッダード・チアリ) – throb in theory
2001年結成、2013年に活動休止の下北沢を中心にライブ活動を展開していた4人組バンド。
(活動休止前は5人編成だった)
(ベースの久保寺氏は現在サスカッチで活動されています。)
通称、「ウッチャリ」。
ストレイテナーのホリエ氏から高い評価を受け、一緒にツアーを回った実績などもあり、ライブ映えする楽曲には多くの可能性を秘めた光るものが感じられ、
シューゲイザー、ポストロック、オルタナティブ、そしてシガーロスのようなアンビエントミュージックからの影響が垣間見える表情豊かな楽曲群が印象的です。
初期は静と動、轟音を鳴り響かせていたのが、徐々にクリーントーンの旋律を主体とし、日本語詩で丁寧に歌い上げるスタイルへとシフトしていきます。
そんなwooderd chiarieからの名曲に相応しいトラックは2005年リリースの1stミニアルバムに収録されている「throb in theory」。
モグワイを彷彿とさせる轟音ギター、イントロからアウトロまでのドラマチックな展開、何よりバンドの大きな魅力である伸びやかで力強いボーカル。
すごい!!
ボーカルすげー
実際にライブでも体感したことがありますが、音源以上の迫力を感じました。(鳥肌が立つ程)
上手だなぁとリスペクトできるボーカリストは、これまでの人生の中で山ほど拝見して参りましたが(プロ含む)、ボーカル上邨氏のその歌声は比較にならない程明らかな別格のオーラで胸にくる感覚でした。
エモ過ぎた。(たまたま降ってきていた日だったのかな?)
レディヘっぽいと思いきや、徳永英明氏のような、時にバンプっぽく聴こえつつ、最後はやっぱりレディヘみたいな。
一つ確かな事を言えるのは決して真似ごとではなくオリジナリティに溢れた名曲であるということ。
ギターの歪み、トレモロ、クリーントーン、そしてリズム隊のリズムワーク、フレーズの入れ方、どれを挙げても聴き手の感情を揺さぶります。
何よりボーカルが超絶にかっこいいかと。
(こちらの楽曲は英語詩です。)
言うまでもなく(言ってるけど)ミュージックビデオの映像も雰囲気たっぷりで申し分なし。(某動画サイトにアップされています。)
そして、この「throb in theory」は当時下北沢ERAで活躍していたバンドで構成されるコンピレーションアルバム(and mark herやnatsumen、pocket lifeなどの顔ぶれ、何気にニューエイジも参加していた)にも収録されており、さらにはバンド初期に製作されたであろうdemo音源でもリリースされているようです。
もし、誰かこちらのdemo音源をお持ちの方がいらっしゃいましたら筆者にもお聞かせ頂きたくお願い申し上げまする。
揺らぎ(yuragi) – bedside
やっとこさ、次世代期待のアーティスト「揺らぎ」を当コンテンツでも紹介できるチャンスがやって参りました。
いつか、いつか、紹介したいと思い早約1年位。
今日がその時。
滋賀県発、2015年に前身バンドを経て「揺らぎ」として活動開始した4人組バンド。
男性2名(ドラム、ベース)、女性2名(ボーカル&ギター、ギター)の編成でしたが、ギタリストのささき氏(筆者も佐々木氏です。これを言いたかった)がご卒業をされ、その後はサポートメンバーを交えて活動されています。
2017年3月ライブ活動を休止したものの、同年12月12日(来月)にJAPANESE BREAKFASTの大阪公演でのサポートアクトを皮切りに復活とのこと。
過去には田渕ひさ子氏、中尾憲太郎氏、RAYやsaid、you you you all the sameなどと共演していたり、同年代の中ではFaded old city、slimcatとは親交の深い繋がりがあるようです。
まさに、新世代における注目バンドの一つ「揺らぎ」。
SNSを通じて耳にした「bedside」のライブ動画に衝撃を受けてから、他の楽曲も聴き漁ってみました。
どの曲も完成度が高い中、それでも2016年にリリースされた1step収録の「bedside」は今でも私にとって不動の名曲であります。(音源買いそびれました。)
海外のシューゲイザーバンドを彷彿とさせるような雰囲気が次の作品である「nightlife-ep」では特に強く感じられるのですが、やはり私は「bedside」(三回目)
時折、顔を覗かせるスーパーカーっぽいテイスト
これまで「スーパーカーっぽい」と称されているアーティストの作品を多く耳にしてきましたが、どれもピンと来るものがありませんでした。
そんな中、「揺らぎ」を聴いた時に、そのDNAを直系で継承するようなバンドだなぁと、心の底から感じたのが、「揺らぎ」に対する、最初の印象です。
若いけどすごいなぁ。
透明感があって力強いボーカル。
ウィスパーボイスという括りで表現するのがもったいない程の、魔法がかかったような力強さとエモさ、実直で不思議な存在感があります。
そして良い意味で青さを感じさせないバランスの良い楽曲展開、各楽器の音数も聴いていて心地よいし。
ポテンシャルの高さは随所に伺え、このまま真っすぐとステップアップして、いずれフジロックの舞台で演奏する「揺らぎ」を観てみたいものですが。
あと3年以内にいけるんちゃいますか!?
編集後記(まとめ)
当初、3曲の紹介を予定していたものの、なかなか自分の中での三つ目が決まらず、結果として2曲に。
他のコンテンツを眺めていると、ズラリと名曲が並んでいますが、筆者自身が惹かれる楽曲はなかったり、なかなか思い入れが出来なかったりと。
ライターや外注として割り切っていれば作業的にサクサク進むのかもしれませんが、自信に当てはめるとどうしても感情が入らないとこう、上手く紹介できない弱点が。(慢性的な課題)
他にもこの手のジャンルにおいて素晴らしいバンドは沢山いるワケで。
他には、she her her hersの「point of no return」も名曲だと個人的には感じてますし(紹介しろよって感じですよね。)、
若手のcattle、plastic girl in closetもキラキラした魅力の詰まったバンドではないかと。
相変わらず雑な仕上がりとなってしまいましたが、僅かでもご参考になれば幸いです。
今回紹介した楽曲は、間違いなくおすすめ出来ますのでぜひ一度、聴いてみて下さい。
その他、以下関連記事もありますのでもし宜しければお読みくださいませ。
スーパーカーという凄いバンドが日本の音楽シーンには存在していた。
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メロコア、ハードコア90年代インディーズバンド20選 その1
以上、最後までお付き合い下さって誠にありがとうございました。
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